10月に入り、大学受験生の皆さんはそろそろAO入試や推薦入試も始まる季節となりました。
受験会場である大学へ付き添いで見える親御さんの多くは、お子さんが受験している間に一人暮らしによさそうなお部屋を内見にいらっしゃいます。
大学へのアクセス、立地、お部屋の設備など条件の良いものが、この時期 空いていることは珍しいかもしれません。
とはいえ、すぐに決めていいのかいろいろ迷うところですよね。
どこの不動産屋に行く?
事前にネットで調べたところを内見したいんだけど…
ほかにもいいところあるかなぁ
学生さんの多い地域の優良物件は、現役の大学生が「居住中」でまだ空いていないところがほとんどです。
大手不動産会社がネットで公開している物件もありますが、そういう「現在空室」のお部屋を借りる時は申込から約2週間で家賃が発生することになるので注意が必要です。
申し込みから2週間で家賃発生?
そうです。何か月先までもキープなんてしてくれないのです。
ではどうすればいいのでしょうか?
いちばん初期費用が安く済むのは、「入居日」を大学が始まる2週間くらい前に設定できる物件です。しかも、人気のある優良な物件。
どこの不動産屋がそんな物件扱ってるの?何か月も先のことなんてわからないよね?
そんな時、頼りになるのが地元の不動産屋です!
地元の不動産屋はアパートの大家さんから管理を任されているケースが多く、入居者の最新情報を持っています。
現在の入居者で大学4年生の人たちに「進路予定のお伺い」といったお手紙を送り、「卒業は決まっているか?」「就職は決まったか?」「部屋を退去するのはいつ頃の予定か?」などのアンケート調査を行うところもあります。
つまり、来年の3月くらいの空き状況を、ある程度わかっているのでより多くのお部屋から探すことができます。
このような地元の不動産屋は 各大学にある「学生支援室」や「学生課」などに問い合わせて紹介してもらうのがおススメです。(大学との提携状況によっては仲介手数料が30%オフ50%オフのところもありますよ)
いい物件とは?
どんな人が住んでるの?
アパート・マンションなどの集合住宅は上下左右の住人がどんな人たちのなか、わかっていることも安心につながります。
- 学生の多い物件なのか
- 社会人ばかりの物件なのか
- ファミリータイプの間取りも入っているのか
賃貸管理をしている地元の不動産会社であれば、こういった情報を持っています。
騒音などの住人同士のトラブルや、水漏れなど設備の修理など、大ごとに発展する前に解決してもらえば安心ですね。
スーパーやコンビニに近いとか、駅から徒歩何分、といった目に見える情報だけでなくいろいろな角度から物件を見ることが大切です。
都市ガスとかプロパンバスとかオール電化とか
ひとり暮らしをする上で、「家賃」のほかにかかる費用があります。いわゆる「水道光熱費」ですね。
水道光熱費なんて自分で節約すれば安くなるんだから、どこに住んでも変わらないよね
えーっと ちょっと違うかも…
今は、電気やガスなど「安く買える」会社も多くなりました。スマホとセットで申し込むと割引があったり…
ここでは「物件による光熱費の差」についてみていきましょう。
オール電化の物件
メリット
- ガスの基本料金がない
- ガス火災の発生率が低い
- 長期間使わないときはブレーカーひとつで制御できる(冷蔵庫の中身チェックだけは忘れずに!たいへんなことになります)
デメリット
- 電気代が高くなる
- 夜間に電気でお湯を沸かすタイプだと、使い切ってしまったらまた一晩待たないと使えない(物件によっては使った分だけすぐ補充してくれるタイプもあります)
プロパンガスの物件
メリット
- 災害時の復旧が早い⇒埋設されたガス管の場合、復旧に時間がかかる
- 火力が強い⇒例)ガスコンロでお湯を沸かす時間が短い
デメリット
- 毎月の費用が都市ガスに比べて2割増し
というようなことがあります。
それぞれのメリット・デメリットを踏まえ、バランスの良い物件選びをしていきましょう。
申し込みから家賃発生の流れ
気に入ったお部屋が見つかったら、「申し込み」をします。たいていの不動産屋で申込用紙に記入してください、と言われますので書面(ネット申込の場合も有り)で申し込みます。
この時に必要なものは
- 申込本人の顔写真付きの身分証明書(運転免許証やマイナンバーカードなど)
- 申込者の学生証
- 緊急連絡先(たいていの場合、ご両親など保護者にあたる方)など
通常、「申し込みをする」というのは「この部屋を借りたいです」と意思表示をすることになります。
プロポーズと同じで、あちらでもこちらでも「申し込む」というのは信義に反するのでお気を付けくださいね。
さて、申し込みの次は「審査」となります。
「18歳以上は成年」と扱う民法の改正がありました。お部屋の賃貸契約は学生さん本人ができます。
ただ、保証会社への申し込みは”収入のある方”がします。つまり、学生さんの場合、必然的に親御さん(保護者)が申込者となるわけです。
学生さんの賃貸契約の場合 不動産会社によって
・「保証会社」を使わなければNGなところと
・親御さん(保護者)に連帯保証人になってもらうところがあります。
保証会社を利用しなければ、保証料(初回賃料総額の30~50%)を支払う必要がないので、初期費用を安く抑えられます。この辺りは、不動産会社によって違いますので詳しくはご自身でご確認ください。
契約までの流れ
さて、気に入ったお部屋の審査に通れば、重要事項の説明を受けて契約になります。
重要事項説明書には「お部屋の設備」や「支払金額」について詳細に記載があります。また退去時の敷金精算についても書かれています。
入居の時の初期費用を気にする人は多いのですが、退去時の費用精算もよく見ておいた方が全体的な費用のバランスがわかりますね
重要事項説明は宅建士が対面で行うのが普通でしたが、今ではIT重説が主流になってきました。
一時間から二時間かかることもあるので、ご自宅のネット環境なども確認しておきましょう。
事前に重要事項説明書を含む契約書類が不動産会社からご自宅に送付されているはずなので、IT重説が始まる前に一度 目を通しておくことをおススメします。
IT重説が終わったら、重要事項説明書と契約書、連帯保証確約書や火災保険の申込書など契約書類に署名・捺印して 書類を送付します。このタイミングで初期費用を振込して契約完了。
書類関係はオーナー印の押印などを終えたのちに、返送されてきます。
火災保険について
お部屋の火災保険は不動産屋指定ものや学校指定のものもあります。また、ご自身のお知り合いで保険の代理店などをしている方から入ることもあるでしょう。安く済ませたい場合でも、指定された保険を使わなくてはならない契約もあります。
通常、普通借家契約は2年間のことが多いので、火災保険もその期間に合わせます。
火災保険とはいっても、「家財保険」なので借りているお部屋の中での事故(パソコンやカメラを落として壊した・窓ガラスにぶつかって割ってしまった…など)については、必ず保険が使えるか確認してもらいましょう。玄関の鍵穴にいたずらされて壊れた修理費用なども対象になったりします。
もし、担当の不動産会社がその物件の管理もしている場合であれば、その不動産屋に連絡すると何かあった時にいろいろ面倒をみてくれるのでいいかもしれません。保険会社に提出する写真や、申請できる事故の種類なども熟知しているので対応がスムーズです。
まとめ
いろいろな物件を見れば見るほど悩んでしまうことも多いですよね。お部屋探しはご縁です。
それでは、まとめていきますね。
進学に伴うお部屋探しのコツ
- 大学の地元の不動産屋にコンタクトをとる
- 物件の立地だけでなく、上下左右の住人情報もある程度掌握する
- 水道光熱費などの基本料金を調べておく
- 申し込みから契約までの流れを理解する
- 火災保険の知識を少々
何かと忙しいお部屋探し…
限られた時間の中で、ぜひ楽しんで新生活をスタートする「空間」を手に入れましょう。
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